日常生活に不可欠になっているメールですが、最近ふと気になることがあります。

仕事がら日本をはじめ様々な国の日本人からメールをいただきます。
13年もシンガポールに暮らしていればこのくらいわかるだろう、という程度のものから、ちょっとした下調べをしないとお答えできない問い合わせまで。

「なぜ私に質問するのかなぁ・・・」と思える問い合わせもありますが、わからない時もそれなりに調べる方法を提案したり、ちょっとした電話でわかることならやって差し上げています。

ただ気になるのは・・・その半分ぐらいがお返事をお送りした後、何の音沙汰もないのです。

別に仰々しいお礼状が欲しいわけでもありませんが、メールは必ず届いたかどうかこちらではわかりようがないもの。添付ファイルなどがあった場合は、相手方のセキュリティプログラムで自動的に削除されてしまったりもしますからね。

そして、やはりお返事した者としては無事に届いてお読みいただけたかどうかを知りたいものです。

それが・・・返事がない。

訊きたいことを訊いて問題解決してしまったんだからもういいや、とういことなのでしょうか。
その方から見れば「自分がメールを送った」→「返事が来た」→「完了」なのでしょうが、こちらは「完了」していないわけです。

よくある問い合わせ例としては:

★シンガポールの生活全般のこと(できるだけお答えしますが、まずはウェブサイト検索されたらどうでしょうか。日本語でもいくらでもありますよね)

★こういうビジネスはシンガポールで流行るか?(プロに市場調査を依頼したらどうでしょうね。主観でしかお答えできませんし、個人の主観をベースに事業構築なんて危険すぎます)

★○○が備わっているコンドミニアムはないのか?(知っている限りでお答えしましたが・・)

★弁護士費用を知りたいのだが英語ができないので・・・(たどたどしくてもいいから自分でメールを送って問い合わせてみてください)

★会社を作りたいので方法を教えてください(私はACRAのサイトを必死に読んで勉強したものですが・・・事業を自分でやろうという人が最初から人頼みでいいんですかね)

★ヘッドハンターからメールが来たけど、社内で自分を蹴落とそうとしている同僚の差し金じゃないか?(メールの内容を見て「杞憂です」とお答えしたら逆に気に障ったのでしょうか。ちなみにヘッドハンターは社内ポリティックスの道具にされるような仕事には手を出しませんよ。「島耕作」の読み過ぎなのでは?)

★即座に仕事が欲しいので電話面接だけで採用してくれる会社を紹介してほしい(よほどの事情がない限りちゃんとした会社はそんなことはしません。外国人であるアナタを採用してビザのスポンサーになるんですよ。その人物に直接会って採用を決めたいと思うのは当然です)

★いま日本にいるが今年中に永住権を取りたいのだが・・・(まずこちらで就職して納税実績を作って下さい。シンガポールという国にとって「必要な人」になれなければ永住権は出ません)

★シンガポールとアメリカと就職するにはどちらが良いか?(その人の備えている条件と目的により異なります。そんなこと他人の意見を聞いて決めることでしょうか?)

上記の大半が面識がない、またはなきに等しい方々からの問い合わせだから驚きます。そして大半がこちらからお返事した後、何の連絡もないのです。

ちなみに(  )の中は私の本音。実際にはちゃんと懇切丁寧にできる限りのお返事を差し上げています。

面接の中でアピールポイントとして「コミュニケーション能力」「ネットワーキング力」をあげる方が多いのですが、それは単に「喋りの巧さ」ではないことはご存知の通り。相手のニーズを汲み取り意思疎通を図るところから始まり、相互利益につなげる努力、仮にそこに至らずとも「また協力してあげよう」と思わせる関係の構築能力。それがなければ名刺が何枚あっても「人脈」にはなりませんよね。

ちなみに「人脈」って、いざといった時に相手が利害関係抜きで力になってくれる、そんな関係にある相手を指すと私は考えます。それ以外はただの「知人」。ですから「知人」にはあまりやっかいな事はお願いしないほうが無難です。

少なくとも自分の問い合わせに対して相手が時間と労力を費やして返事を送ってきた場合、数行のお礼メールも送れない人が色々な人の支えて成り立っていく海外生活を送れるのかは甚だ疑問です。

一方で、まだ20代の女性なのにこうしたことがきちんとわかっている方もいます。仮にA子さんとしましょう。

彼女のメールは冗長ではなくしかし丁寧で必要な内容がまとめられており、私との電話面接の日程調整などにも細かい気配りが感じられ、何よりレスポンスが早い。来星して企業面接になりましたが数人の管理職による面接をストレートで突破し、あれよあれよといううちにオファーとなりました。単なる連絡事項であっても、「ご連絡ありがとうございました。お申し出いただいた内容、承りました」と短くても必ず返事を送ってきました。

今は数人を束ねるマネジャーとして、20代でありながらも5千ドルレベルの待遇で働いていらっしゃいます。そんな彼女ですから周りが応援してあげよう、という気持ちになってしまい、知らず知らずのうちにファンが増えて「チームA子」が出来てしまうのです。得な性格?いえいえ、常識と礼儀と気配りのバランスが良いからです。私もそんなファンの一人です。

日本人同士だからつい甘えてあれこれ頼む。
日本人同士だからお礼なんか言わなくても相手はわかってくれている。
それって単なる子供の甘えと同じじゃないかと思います。
外じゃ通用しませんよ。

自立せよ、大人になれ日本人!

たまに、そう叫びたくなる時もある・・・というモノローグでした。